買い物カゴがひっくり返る!「ネーミングセンスが爆発」しているスーパーの闇と光
「今夜のおかずは何にしようか」。そんな平和な目的で足を踏み入れた近所のスーパーで、私は思わず立ち尽くした。
精肉コーナーのショーケースに、おどろおどろしいフォントで貼られたPOP。そこにはこう書かれていた。
『君の胃袋を支配する。漆黒の焼肉用バラ肉』
……いや、お肉の紹介に「支配」って何? 悪の組織の首領か何かかな?
今回は、そんな「担当者の暴走か、はたまた高度なマーケティングか」と思わず二度見してしまう、スーパーの奇跡的なネーミングとPOPの世界をご案内しよう。
第1章:担当者は何と戦っているのか
まずは、とある地方スーパーの野菜売り場で見つけたこちらの逸品。
- 商品名:『初恋の味がする、ちょっとイタい玉ねぎ』
「イタい」って、誰のことだろうか。切ると涙が出るから「泣かせる」という意味なのか、それとも担当者の実体験が反映されているのか。横に添えられた説明書きには「食べたあと、しばらく会話が弾まなくなります」という、非常に親切かつ自虐的な注意書きまであった。親切すぎて購買意欲が遠のくのはなぜだろう。
第2章:誤字がもたらすカオス
次に遭遇したのは、陳列ミスではなく「誤字」が産んだ奇跡である。
鮮魚コーナーの「お刺身盛り合わせ」に添えられたプレートを見てほしい。
- 表記:『鮮度抜群! 溺死したてのブリ』
いや、間違ってはいない。間違いではないのだが、食欲が一切湧かない。なぜわざわざ「溺死」というワードを選んだのか。隣のPOPに書かれた「産地直送・活け締め」の文字が、虚しく宙を舞っている。きっとこの日、担当者は相当お疲れだったのだろう。
第3章:なぜか強気な「焼き芋」
冬の入り口で見つけた、焼き芋のコーナー。そこには、圧倒的自信を感じさせるPOPが置かれていた。
- キャッチコピー:『地球の引力にも負けない甘さ。これ以上重い芋は、この星には存在しません』
……物理法則の話? 哲学? もはや焼き芋の宣伝文句ではない。ただ、その隣に並べられた芋は、確かに小ぶりながらもずっしりと重かった。言われると買いたくなる。この「意味不明さ」こそが、スーパーという戦場における最強の武器なのかもしれない。
まとめ:彼らは今日もどこかで暴走している
冷静に考えれば、普通に「美味しいですよ」と書けばいいものを、なぜ彼らはこうも劇的な言葉を求めてしまうのか。
しかし、こうして記事を書きながら思い返すと、その「ちょっとイタいPOP」や「クセの強い商品名」のおかげで、単調な買い出しがまるでアトラクションのような楽しさに変わっていることも事実だ。
もしあなたが今日、近所のスーパーで「……は?」と思わず吹き出してしまう商品を見つけたら、それは担当者からの挑戦状だと思ってほしい。ぜひ、その「謎の味」をあなたの胃袋で確かめてみてはいかがだろうか。
もちろん、それが「溺死したて」のものでないことを祈るが。
