メルカリで「用途不明の謎パーツ」を買った結果、人類の叡智(?)に触れてしまった話
ある深夜、私は魔が差した。メルカリの闇市こと「その他」カテゴリを徘徊していたとき、異彩を放つ出品物に目が止まったのだ。
商品名:【詳細不明】金属製の何か。重いです。 価格:300円
写真に写っていたのは、鈍い光を放つ、複雑にひねられた銀色の金属の塊。ネジ穴のようなものがあり、どこか古代の遺物のような気品を漂わせている。説明文には「実家の片付けで出てきました。用途は全くわかりません。インテリアにどうぞ」との記載。
私の指先は、迷うことなく「購入ボタン」を押していた。
ネット掲示板の住人たちと「人類の分岐点」を考察
届いたブツは、予想以上に重く、冷たかった。正体を探るべく、私はその写真を匿名掲示板にアップした。「これ、何かの鍵じゃないか?」「いや、宇宙船のドアノブだろ」「異次元と通信するためのアンテナかもしれない」
スレッドは瞬く間に伸びた。「未知の文明のアーティファクト説」が有力視され、一部の住人は「それを持ってるだけで政府に監視されるぞ」と警告してくる始末。私は興奮に震えた。数百円で、私は歴史の証人になってしまったのだ。
「もしこれが、未来のテクノロジーの欠片だったら……」 私は夜な夜なその金属を磨き、儀式のように机に並べた。友人に「何これ?」と聞かれるたびに、「……人類にはまだ早い代物だよ」と中二病全開で返事をするのが日課となった。
判明した「意外すぎる正体」で腰が抜けた
数日後、私はついに決着をつけるべく、その写真をGoogleレンズにかけてみることにした。神聖なアーティファクトの正体を知る時が来たのだ。
検索結果のサムネイルが表示される。そこには、私の「銀色の何か」と全く同じ形状をした製品が写っていた。
商品名:業務用・厚手カーテン用「カーテンタッセル(マグネット式・重り付き)」
……そう、それは単なるカーテンを束ねるための、ちょっと重厚なデザインの留め具だった。私が必死に宇宙の真理を追い求めていたその金属は、世界中のリビングの窓際で、カーテンのヒダを整えるという極めて世俗的な役割を全うしていたのだ。
結論:家が少しだけファンタジーになった
私は力が抜け、その場でへたり込んだ。銀色の塊は、ただカーテンの隙間を埋めるためだけに生まれてきたのだ。
翌日、私はその「宇宙人の遺物」を本来の用途であるリビングのカーテンに使用してみた。するとどうだろう。窓辺に差し込む光を反射したその物体は、かつてないほど神々しく輝き、私の安っぽい部屋を一気に高級ホテルのような雰囲気へと昇華させた。
確かに用途はカーテン留めだった。しかし、私の妄想と数百円の投資が、我が家のリビングを「宇宙を感じる空間」に変えたことだけは、紛れもない事実である。
みなさんもメルカリで「詳細不明」を見つけたら、ぜひ買ってみてほしい。ただし、それがただのカーテンタッセルだとしても、あなたの想像力が宇宙を創り出してくれるはずだ。
