善意の翻訳、悪意の誤変換:AIアプリで国際交流しようとして地獄を見た話
「言葉の壁なんて、最新のAI翻訳アプリがあればゼロに等しい」。
そんな甘い考えを抱いていた自分が、まさか海外のカフェで「国際問題」を引き起こすことになるとは夢にも思わなかった。今回は、AIのポンコツ翻訳が引き起こした、笑うに笑えない「大惨事」エピソードをいくつか紹介しよう。
1. 「お疲れ様です」が「君の命を狙っている」に
出張先のドイツで、現地の取引先の方に親しみを込めて「お疲れ様です、いつもお世話になっています」と伝えようとした時のこと。
私は自信満々に翻訳アプリを起動し、マイクに向かって優しく語りかけた。しかし、AIは私の疲れ切った顔と早口を誤解したのか、画面にはドイツ語でこう表示された。
「貴様の背後を常に見張っている。今夜、すべてが終わる」
目の前のドイツ人は、最初こそ「は?」という顔をしていたが、私が「ほら、食べて!」と手土産の饅頭を差し出した瞬間に顔面蒼白になった。饅頭=爆弾か何かに見えたのだろう。彼は絶叫してカフェのテーブルをひっくり返し、警察に通報しようと駆け出していった。
2. 「趣味は料理です」が「毒を盛るのが仕事です」に
別の国でのこと。現地の友人グループと仲良くなり、「趣味は何ですか?」と聞かれたので、私は誇らしげに「趣味は料理です。友達に手料理を振る舞うのが好きで」とアプリに話した。
アプリは軽快な音を鳴らし、こう翻訳した。
「私のライフワークは『毒の調合』です。獲物(友人たち)をテーブルに招き、ゆっくりと絶望させるのが何よりの楽しみだよ」
静まり返るカフェ。一同は一斉にフォークを置き、私を恐ろしい殺人鬼を見る目で凝視し始めた。私が「え? 何? 美味しくない?」と空気を読まずに料理を勧めれば勧めるほど、彼らの背筋が凍っていくのが分かった。
3. 「道に迷いました」が「お前の土地を奪う」に
最後は、もっとも悲惨なタクシーでの出来事だ。運転手がなかなか目的地に着かないので、私は少しイライラしながらアプリで「すみません、この道で合っていますか? 少し不安なのですが」と確認した。
アプリが導き出した翻訳は、宣戦布告に近いものだった。
「貴様の領土は我が所有物となった。この道はすでに閉鎖されている。抵抗しても無駄だ」
運転手は無言で車を急停車させ、私の荷物をすべて車外に放り投げると、罵詈雑言を浴びせて猛スピードで走り去っていった。真夜中の見知らぬ街で、私は一人、空になったスーツケースを抱えて立ち尽くすことになった。
教訓:AIはあくまで「ジョーク製造機」と心得よ
結局のところ、AI翻訳アプリは「コミュニケーションツール」というより、「運次第でとんでもない殺傷能力を発揮する爆弾」に近い。
読者の皆さんも、海外でAIに頼り切るのは考えものだ。「サンキュー」と「スマイル」さえあれば、変な翻訳を通すよりも、はるかに安全で温かい人間関係が築けるはずだ。
……と、書きながらまたアプリで翻訳してみた。 「これ以上は喋るな、この愚か者」と出力された。
……AI、お前だけは絶対に許さない。
