AIに「壮大な伝説」を書かせたら、中二病の煮凝りが爆誕した件
最新のAIチャットボットは、もはや小説家顔負けの文章を書くと言われている。ならば、王道のファンタジーを書かせれば、叙事詩のような名作が生まれるのではないか。
そう期待して、私はあるプロンプトを入力した。 「太古の昔、神々の戦いによって分断された世界を救うため、伝説の英雄が立ち上がる壮大な歴史ファンタジーを書いて」
しかし、出来上がったのは「伝説」などという生易しいものではなかった。そこにあったのは、中二病の成分を限界突破まで濃縮した、地獄のパラグラフだった。
始まりは「漆黒」から
AIが書き出した冒頭の一行は、期待を裏切らないものだった。
「星々がその瞳を閉ざした刻、深淵の果てから『虚無の鼓動』が響き渡った。右腕に宿る封印されし禁忌の波動が、刹那の沈黙を切り裂く――」
……おい、開始0秒で右腕が疼いている。設定を詰め込みすぎて、AIが独自の「厨二エンジン」をフル回転させているのが画面越しに伝わってくる。どうやらこのAIは、「物語の冒頭には、とりあえず何かを封印しておかなきゃいけない」という強迫観念に囚われているらしい。
なぜか必ず登場する「謎の武器」
物語を進めると、さらなるカオスが待っていた。主人公が危機に瀕するたび、AIは必ず「謎の武器」を取り出してくるのだ。
例えば、これを見てほしい。
「敵の放った『断罪の虚空斬』に対し、主人公は背中に背負っていた『終焉を呼ぶ断罪の魔剣・ラグナロク・ゼロ・イクリプス・オブ・シャドウ』を抜いた。その剣は、かつて神々が空腹のあまり食い散らかした宇宙の残り香から鍛造されたという」
名前が長い。 覚えるだけで喉が乾くし、後半の「宇宙の残り香から鍛造」という設定のせいで、シリアスなはずの剣が途端に「宇宙ゴミの再生品」に見えてきた。
しかも、このAIは武器に必ず「ダーク」「虚無」「断罪」「終焉」という単語を混ぜる癖がある。もはやメニュー表が「絶望の闇のスープ」と「破滅の影のサラダ」だけで構成されているレストランのような状態だ。
支離滅裂な「ご都合主義」展開
読み進めるうちに、私の腹筋は限界を迎えた。AI特有の「整合性を無視した展開」が、中二病設定と化学反応を起こしたのだ。
「世界が滅びの火に包まれる中、主人公は右腕の紋章を解放した。すると、空から突如として『逆襲の電子聖剣・ビットコイン・ラグナロク』が降り注ぎ、敵のすべてを初期化(フォーマット)したのである。世界に平和が訪れ、神々は全員、反省会としてマクドナルドでポテトを食べることになった」
……待て。宇宙を救ったあとにマクドナルド? しかも聖剣の名前にビットコイン? さっきまでの深淵や虚無はどこへ行った。あまりの急展開と、急激な現代社会への着地に、スマホを落としそうになった。
結論:AIと中二病は最高のコンビ
結局、AIに壮大な伝説を書かせると、「設定の過剰摂取」によって、笑いが止まらない破壊兵器が完成するということが判明した。
彼らAIにとって「伝説」とは、重厚な歴史ではなく、かっこいい単語をパズルのように組み合わせる「ワードサラダ」遊びなのかもしれない。もし皆さんも暇があれば、AIに「伝説」を書かせてみてほしい。
きっと、あなたの腹筋を破壊する最強の「邪王真眼」に出会えるはずだ。
